雇用保険の就職促進給付
「常用就職支度手当」

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安定した職業に就いた就職困難者への給付


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1.常用就職支度手当とは


基本手当(失業手当)の受給資格がある者で、ある程度年齢の高い者や障害のある者などの就職困難者が、"雇用期間の長い安定した職業"へ就職する、または自分で事業を始めることになった場合に支給される給付金です。

内容的には再就職手当とだいたい同じです。再就職手当の場合は安定した職業へ"早期"に就職することが条件で、就職が遅れれば支給対象にはなりません。
しかし就職困難者の場合は、早期に安定した職業に就職できれば再就職手当が受給でき、就職が決まるまでに時間がかかった場合でも、再就職手当の代わりに常用就職支度手当が受給できるため、手当を受給できる機会が通常より多くなります。


2.手当を受けるための条件・対象者

常用就職支度手当をもらうためには以下の要件を全て満たす必要があります。


  1. 就職困難者である

  2. 基本手当の支給残日数が、所定給付日数の1/3未満であること

  3. 1年を超えて勤務することが確実であること(安定した職業)
    ※また、原則として再就職先でも雇用保険の被保険者になっていること

  4. 基本手当の受給手続き後の「7日間の待期期間」が過ぎてから就職していること
    また、自己都合で退職し3ヶ月間の給付制限を受けている者については、制限期間を過ぎてから就職していること

  5. 再就職先が、失業直前に勤めていた会社、またはその会社と密接な関わりのある会社ではないこと

  6. 過去3年間に「常用就職支度手当」または「再就職手当」を受けていないこと

  7. 常用就職支度手当の支給決定の日までに離職していないこと

それぞれの要件について詳しく解説します。

要件1.就職困難者について

常用就職支度手当における就職困難者に該当するのは、就職日において45歳以上の者、身体障害者、知的障害者、精神障害者、保護観察中の者、社会的事情により就職が著しく阻害されている者などです。
障害者等の定義については「就職困難者とは」を参考にしてください。

※平成29年3月31日までの暫定措置として、「一定期間以上継続して雇用されたことがない40歳未満の方」も就職困難者になります。

要件2.基本手当の残日数について

所定給付日数、つまり基本手当を最大で何日分もらえるかは、雇用保険の加入期間や年齢、退職理由などによって決まります。(参考:基本手当の給付日数
就職が決まった時点で、その残日数が1/3未満でなければなりません。1/3以上残っている場合は再就職手当の対象となります。

例えば所定給付日数が300日の人が、就職が決まるまでに250日分の基本手当を受給していたとすれば、残日数は50日です。この場合、300日の1/3である100日よりも少ないため条件を満たします。

要件3.雇用期間について

常用就職支度手当の受給条件の一つが"安定した職業への就職"です。安定した職業の基準として、雇用される期間が1年以上でなければなりません。特に雇用期間が定められていない正社員などは問題ありませんし、派遣社員・パート・アルバイトなどでも、契約期間が1年以上なら条件を満たします。

また、原則として再就職先でも雇用保険に加入することになっていなければなりません。自分で事業を始める人の場合は、自分以外の労働者を1人以上雇って雇用保険の適用事業所とならなければなりません(農林水産業は例外)。

要件4.就職した時期について

雇用保険の受給資格を得た日から7日間の期間を待期期間といいます。また、自己都合で退職した者は、待期期間の直後に3ヶ月の給付制限期間があります(参考:基本手当の給付開始日)。
これらの期間は雇用保険による各種給付を受けられないことになっており、この期間内に就職した場合は常用就職支度手当の支給対象になりません。また、雇用保険の受給資格を得た日より前に既に就職の内定が決まっていた、つまりハローワークで求職活動をする前から就職が内定していた場合も対象外です。

要件5.同じ会社への再就職について

失業直前に勤めていた会社に再就職した場合は常用就職支度手当の支給対象とはなりません。また、その会社と資本・資金・人事・取引面で密接な関わりのある会社であってもダメです。
こうした会社への就職は会社内での転勤や配置換えに近い位置づけであり、やむを得ない事情による失業を経ての再就職とはみなされません

要件7.再就職後の退職について

常用就職支度手当を受けるには、就職が決まってから必要書類を提出して手続きを行う必要があります。
就職が決まった日から、常用就職支度手当の支給が決定されるまでには早くても1ヶ月以上かかります。それまでの間に再就職先を退職してしまった場合は手当は支給されません。

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3.支給額について

実際にどのくらいの常用就職支度手当がもらえるのか解説します。
支給額の計算式は基本手当の支給残日数によって変わります。

1.支給残日数が90日以上

  • 基本手当日額× 90 ×40%

2.支給残日数が45〜89日

  • 基本手当日額× 支給残日数 ×40%

3.支給残日数が45日未満

  • 基本手当日額× 45 ×40%

基本手当日額とは基本手当の1日あたりの支給額のことです。ただし、この計算における上限額が設けられています。離職時の年齢が60歳未満の場合は6,105円、60歳以上の場合は4,941円が上限です(平成31年7月末まで)。上限額は毎年8月1日に改定されます。

基本手当日額と支給残日数は雇用保険受給資格者証に記載されています。


4.手当が支給されるまでの流れ・手続き

再就職が決まったら、ハローワークで常用就職支度手当の申請を行いましょう。
就職が決まった日の翌日から1ヶ月以内に、以下の必要書類を提出しなくてはいけません。


  1. 常用就職支度手当支給申請書
    →ハローワークでもらえるほか、インターネットを利用して入力・印刷することも可能です(こちら)。
  2. 採用証明書
    →雇用保険(基本手当)の受給資格の決定時にハローワークから渡される「雇用保険受給資格者のしおり」の巻末に付いています。
  3. 雇用保険受給資格者証
    →雇用保険(基本手当)の受給資格の決定後に開催される受給説明会で渡されます(参考)。

※失業前の雇用形態によって必要書類は若干違ってきますので、事前にハローワークに確認しておきましょう。


書類1と2については、就職先の会社に記入してもらう欄もあります。
大きな会社の支店などでは、書類を一度本社に転送して記載してもらうなど、時間がかかるケースもあります。書類の準備に予想以上に時間がかかって1ヶ月の提出期限を過ぎてしまわないよう、必要書類の準備と会社への依頼は早めに行いましょう。

書類の提出後に受給要件を満たしているか審査が行われ、後日、支給の可否を記した決定通知が郵送で届きます。
無事支給されることが決まれば、指定した銀行口座に一括して入金されます。



就職促進手当一覧


  • 常用就職支度手当」:早期に安定した職に就いた者への給付
  • 就業手当」:早期に不安定な職に就いた者への給付
  • 就業促進定着手当」:常用就職支度手当を受けた者の賃金が前職よりも下がった場合の給付
  • 「常用就職支度手当」:障害者などの就職困難者が安定した職に就いた場合の給付
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