雇用保険給付の一つ「基本手当(失業手当・失業保険)」の計算方法

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基本手当の支給額はどのように決まるのか

基本手当(失業給付)は雇用保険による給付の一つです。失業後の求職活動中に一定期間給付金が支給されるもので、以前は失業手当と呼ばれていました。
給付金額は何を基準にして決まるのか、実際にいくらくらいもらえるのか、具体的な計算方法などを解説します。

<目 次>

  1. 支給額の決定に関わる要素
    退職前の給与額と失業時の年齢によって決まる
  2. 計算方法と支給額一覧
    退職前の給与合計から1日あたりの支給額「基本手当日額」を算出する
  3. 支給額の自動計算
    半年間の賃金合計を入力して支給額を自動計算

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1.金額決定に関わる要素

基本手当(失業手当)の支給額は以下の2つの要素によって決まります。


  1. 失業(退職)日直前の6ヶ月間でどのくらいの給与をもらっていたか
  2. 失業(退職)時の年齢

基本的に失業前に貰っていた賃金が高いほど基本手当も多くなります。しかし賃金が低いほど給付率は高く設定されているため、支給額に大きな格差が生じない仕組みになっています。また支給額には上限と下限が設定されています。

◆失業前の給与について

6ヶ月間の給与には、基本給のほか残業手当、営業手当、通勤手当、住宅手当、役職手当などの各種手当も含まれます。逆に退職金や賞与(ボーナス)、結婚祝い金、弔慰金といった一時金の類は含まれません(賃金一覧表)。社会保険の計算における「報酬」とは賞与の定義などに若干の違いがあります。

◆支給額の上限・下限(平成28年11月1日現在)

失業時の年齢1日あたりの基本手当の上限月額の上限(28日分)
29歳以下6,395円179,060円
30〜44歳7,105円 198,940円
45〜59歳7,810円218,680円
60〜64歳6,714円187,992円

1日あたりの下限額は年齢に関係なく1,840円です。


2.具体的な計算方法

基本手当の月々の支給額を算出する場合、はじめに失業直前6ヶ月間の1日あたりの賃金「賃金日額」を計算し、その金額に一定の割合(給付率)をかけ合わせて1日あたりの支給額「基本手当日額」を算出するという流れになります。



  1. 失業直前6ヶ月間の賃金を合計し、合計額を180日で割ることで1日あたりの賃金「賃金日額」を計算します。
    ※ここで言う「賃金」とは、税金や雇用保険料などが控除される前の総支給額です。各種手当も含まれますが、賞与や退職金などの一時金は含まれません。社会保険の計算における「報酬」と定義は同じです。

  2. 賃金日額に給付率(50〜80%)をかけ合わせて1日あたりの支給額「基本手当日額」を計算します。
    ※賃金日額が少ないほど給付率は大きくなります。

  3. 「基本手当日額 × 28」で算出した金額が、毎月の基本手当の支給額になります。
    ※基本手当は原則として28日分が28日ごとに支給されます。初回や最終回は少なめになります。

◆基本手当日額の早見表

<失業時の年齢が29歳以下>

賃金日額給付率基本手当日額
2,300円以上4,600円未満80%1,840円〜3,679円
4,600円以上11,660円未満80〜50%3,680円〜5,830円(※1)
11,660円以上12,790円未満50%5,830円〜6,395円
12,790円以上-6,395円(上限)

<失業時の年齢が30〜44歳>

賃金日額給付率基本手当日額
2,300円以上4,600円未満80%1,840円〜3,679円
4,600円以上11,660円未満80〜50%3,680円〜5,830円(※1)
11,660円以上14,210円未満50%5,830円〜7,105円
14,210円以上-7,105円(上限)

<失業時の年齢が45〜59歳>

賃金日額給付率基本手当日額
2,300円以上4,600円未満80%1,840円〜3,679円
4,600円以上11,660円未満80〜50%3,680円〜5,830円(※1)
11,660円以上15,620円未満50%5,830円〜7,810円
15,620円以上-7,810円(上限)

<失業時の年齢が60〜64歳>

賃金日額給付率基本手当日額
2,300円以上4,600円未満80%1,840円〜3,679円
4,600円以上10,500円未満80〜50%3,680円〜4,725円(※2)
10,500円以上14,920円未満50%4,725円6,714円
14,920円以上-6,714円(上限)

表中の※印の箇所は、給付率が50〜80%で一律ではありません。この部分については以下の計算式によって基本手当日額を算出します。賃金日額をyとして計算します(1円未満は切り捨て)。

※1 「60歳未満」
(70280y − 3yy)/70600

※2 「60〜64歳」
(126600y − 7yy)/118000 または 0.05y + 4200 のいずれか低い方

◆実際の支給額(月々もらえる金額)を計算

<例1:50歳で半年の賃金合計が216万円>


  1. 賃金合計を180で割って賃金日額を算出する
    2160000/180 = 12,000円

  2. 賃金日額「12,000円」を早見表に当てはめると給付率が50%なので、
    基本手当日額 = 12000×50% =6,000円

  3. よって月々の基本手当の支給額は、
    6,000円 × 28日 =168,000円
    (基本手当は原則として28日分が28日ごとに支給される)

<例2:25歳で半年の賃金合計が171万円>


  1. 賃金合計を180で割って賃金日額を算出する
    1710000/180 = 9,500円

  2. 賃金日額「9,500円」を早見表に当てはめると給付率が50〜80%なので、計算式「(70280y − 3yy)/70600」にあてはめて基本手当日額を算出する
    (70280 × 9500 − 3 × 9500 × 9500)/70600 =5,621円(給付率59%)

  3. よって月々の基本手当の支給額は、
    5,621円 × 28日 =157,388円
    (基本手当は原則として28日分が28日ごとに支給される)

参考:離職前半年の賃金と給付率

<失業時の年齢が60歳未満の場合>

半年の賃金月額半年の賃金合計月々の基本手当
69,000円〜137,999円414,000円〜827,999円賃金月額の80%
138,000円〜349,799円(※314,999円)828,000円〜2,098,799円(※1,889,994円)50〜80%
349,800円(※315,000円)以上2,098,800円(※1,890,000円)以上50%(上限あり)

※失業時の年齢が60歳以上の場合

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3.基本手当の自動計算

「退職日直前の6ヶ月間の賃金合計」と「年齢」を入力後、「計算」ボタンを押してください。

※6ヶ月間の賃金には各種手当も含まれますが、退職金やボーナス等の一時金は含まれません(参考)。


6カ月間の賃金合計
年齢
勤続年数

基本手当(日額)
基本手当(月額)
給付日数日間

(平成28年11月1日更新)

基本手当は原則として28日ごとに月額(28日分)が振り込まれます。


◆関連項目


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