雇用保険の求職者給付
「特例一時金」

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季節的労働者に対する失業給付


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1.はじめに

1-1.季節的労働者の定義

雇用保険における季節的労働者とは、雇用契約期間が1年未満で、かつ、仕事の内容が季節の影響を強く受けるもので、特定の季節のみ雇用される人を指します。スキー場で冬場のみ雇用される人などが良い例です。

1-2.季節的労働者に対する雇用保険

雇用保険に加入する者(被保険者)は、年齢や雇用形態によって4種類に分けられ、それぞれ被保険者となるための条件、給付の種類・内容などが異なります。
一般社員や、それに準ずる派遣社員やパートタイマーなどの非正規労働者は、雇用保険の「一般被保険者」又は「高年齢継続被保険者」と呼ばれます。季節的労働者は「短期雇用特例被保険者」という区分になります。他に日雇い労働者に対する区分もあります。
【参考】被保険者の種類

加入条件

季節的労働者が雇用保険に加入する、つまり短期雇用特例被保険者となるためには以下の2つの要件を満たす必要があります。

  • 4ヶ月以上雇用されるという雇用契約である
  • 一週間の所定労働時間が30時間以上

2.特例一時金とは

求職者に対する雇用保険給付の中で最も一般的なのが、失業後の求職活動中に給付金が支給される失業給付です。
よく耳にする基本手当(失業手当)は雇用保険の「一般被保険者」、つまりフルタイムで働く一般社員などが対象です。雇用保険に加入する季節労働者、つまり「短期雇用特例被保険者」に対して基本手当の代わりに支給される失業給付が特例一時金です。


3.受給資格を得るための条件・対象者

特例一時金を受給するためには、最寄りの公共職業安定所(ハローワーク)で求職の申し込みをした上で、特例受給資格の決定を受けなければなりません。

特例受給資格を得るには以下の要件を全て満たす必要があります。


  1. 失業日(退職日)直前の1年間に、雇用保険に加入していた期間が合計で6ヶ月以上あること
  2. 現在失業しており、かつ、すぐにでも働く意思があること(求職活動を行えること)
  3. 失業後、ハローワークに離職票を提出していること(雇用保険の資格喪失の確認)

1.雇用保険の加入期間について

失業日直前の1年間のうちに転職をした場合は、それぞれの雇用保険加入期間を合計します。
また、計算の対象期間は原則として退職日直前の1年間ですが、病気・ケガ・出産・休業などのやむを得ない理由で30日以上賃金が支払われなかった期間がある場合は、その日数分、対象期間を延長できます。


2.働く意思の有無について

手当を受給するには、現在失業状態にあり、すぐにでも求職活動を行って働きたいという積極的な意思があり、就職が決まった場合はすぐに働くことができることが前提です。以下のようなケースは受給できません。


  • 病気やけがのため、すぐには就職できない
  • 妊娠・出産・育児のため、すぐには就職できない
  • 定年などで退職し、しばらく休養しようと思っている
  • 結婚などにより家事に専念し、すぐに就職することができない

求職活動について

基本手当の場合だと、およそ一ヶ月の間に原則として2回以上の求職活動を行った実績がないと手当が支給されません。
【参考】受給のための求職活動

しかし特例一時金の場合は求職活動の実績までは問われないため、例えば希望する仕事が見つからず、会社で面接を受けるなどの具体的な求職活動を行わなかったとしても給付は受けられます。


3.雇用保険の資格喪失の確認について

求職の申込みと離職票の提出については「基本手当を受給するまでの流れ」を参考にしてください。


4.離職から受給までの流れ

基本的な流れは基本手当の場合と同じですので「基本手当を受給するまでの流れ」を参考にしてください。


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5.受給金額・受給日数

5-1.支給額の算出法

特例一時金の支給額は以下の要素によって決まります。


  • 失業(退職)日直前の6ヶ月間に支給された給与額
  • 失業(退職)日における年齢

手順1.一日あたりの支給額を計算する

失業直前6ヶ月間の給与の合計から1日あたりの給与「賃金日額」を計算し、その金額に給付率(50〜80%)をかけることで一日あたりの支給額「基本手当日額」を算出します。
一連の計算方法は基本手当のケースと同じですので、詳細は「基本手当の計算方法」を参照してください。

手順2.支給総額を算出する

特例一時金は40日分を一括で支給します。支給されるのは1回限りです。

例えば基本手当日額が5,000円だった場合は、5,000円 × 40日 = 200,000円が一度だけ支給されます。

※特例一時金は法律では30日分と決まっていますが、現在は暫定措置として40日分が支給されることになっています。30日に戻る時期は今のところ未定です。

※特例一時金の受給が遅れた場合、受給額が減額になるケースもあります。


5-2.支給日

特例受給資格を得てからおよそ1ヶ月後の失業認定日に、依然として失業状態にあることを認定する手続きを行います。失業認定されれば、後日給付金が支給されます。

支給日が送れるケース(給付制限)

基本手当の場合と同じく、自己都合による退職で失業状態になった場合は3ヶ月間の給付制限があるため、手当の支給が通常より3ヶ月遅れます。

一時金の受給期限は6ヶ月

就職の意思を示さなかったり、失業認定日に所定の手続きを行わなかったりした場合、一時金の支給は先送りになります。ただし、受給資格はいつまでも保持できるわけではなく期限があります(受給期間)。

特例一時金の受給期間は失業(退職)した日の翌日から6ヶ月です。6ヶ月を過ぎると受給する権利はなくなります。

また、受給期限までの残日数が一時金の支給日数よりも少なくなると、一時金は残日数分しかもらえなくなります。
例えば諸事情により受給できない状態が続き、退職日から35日が経過したとします。この場合、受給期限までの残日数は 60 - 35 = 25日です。本来であれば一時金は40日分がもらえますが、「残日数(25日)」<「40日」となってしまったため、この場合だと支給額は25日分に減額されます。


5-3.支給額の自動計算

「退職日直前の6ヶ月間の給与合計」と「退職日における年齢」を入力後、「計算」ボタンを押してください。

※6ヶ月間の給与には基本給のほか残業手当、営業手当、通勤手当、住宅手当、役職手当などの各種手当も含まれます。逆に退職金や賞与(ボーナス)、結婚祝い金、弔慰金といった一時金の類は含まれません。



6カ月間の給与合計
退職時の年齢
勤続年数

支給額
一日あたりの金額
給付日数日間

(平成28年11月1日更新)

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