労働基準法における「賃金」の定義 |
労働基準法における「賃金」
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労働基準法(労基法)では「賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として、使用者が、労働者に支払うすべてのものをいう。」と定義されています(労基法第11条)。
この定義ですと、賞与(ボーナス)なども賃金に含まれそうな気もしますが、実際には含まれないケースが多いです。理屈で考えるよりも例を見て判断したほうが分かりやすいので、以下に例を示します。
◆「賃金」に含まれないもの
1.任意的、恩恵的な給付
- 賞与(ボーナス)
- 退職金
- 結婚祝い金
- 病気見舞金
- 弔慰金など
※賞与や退職金、各種手当等は、労働協約、就業規則、労働契約等によってあらかじめ支給要件が明確にされ、使用者に支払い義務がある場合は労働の対償となり、賃金に該当します。
2.福利厚生給付
- 住宅の貸与や食事の供与
- 運動施設、レクリエーション施設
- 資金貸し付けなど
※住宅を貸与するケースでは、不公平がないように貸与を受けない者に対して一定額の手当を支給している場合は、その手当に相当する額が賃金に該当します。
3.企業設備・業務費・その他
- 制服、作業服、作業用品代
- 出張旅費、社用交際費、タクシー券など
- ストックオプションや顧客から受け取るチップなど
※チップについては顧客が労働者に直接渡すものであれば賃金には該当しませんが、使用者が受けとったものを労働者に分配する場合には賃金になり得ます。チップのみで生計を維持しており、チップによる収入を得るために一定の場所の使用が認められている場合も賃金とされます。
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